正露丸
腹痛、歯痛に効果があるとして知られる正露丸。ここではその効能や歴史など幅広く正露丸についての情報を紹介していきます。
正露丸のすゝめ
正露丸を飲んだことがないという人も居るらしく驚いています。一家に一瓶、薬箱に正露丸常備を強くおすすめします。腹痛に対する効果、歯痛に対する効果では右に出るものはありません。
正露丸がどれくらい効くのかというと「飲んだ瞬間に腹痛が治まる」「匂いを嗅ぐだけで腹痛が治まる」という報告が多数あるほどです。恐らく匂いが強い事によるプラシーボ効果なのでしょうけど、効くことに変わりはありません。また、実際に腹痛が治まるのも早くて尚且つ強力です。
他の下痢止めに比べ、正露丸は「腸の運動を正常化させる」タイプであるため安全という事も言えます。正露丸を危険だとしている文章の殆どは「正露丸の作用そのものを誤解している」というケースが殆どです。「正露丸は殺菌薬だ」「正露丸は麻酔薬だ」といった論法を採っている者は、まず論拠が間違って居るので注意しましょう。その人達に「正露丸の作用原理は違うらしいですよ」と言って、相手がマトモな科学的思考を持っていれば「前提が変われば結論も変わる」と言うはずです。
効能、歴史など
Wikipediaの正露丸項目がかなり詳しいので、ここを見るのが早いです。
効能の面で注意が必要なのは「同じ正露丸でも製品によって僅かな違いがある」という点。成分配合がメーカーによって違うというのもありますし、糖衣タイプは歯痛に使えません。また、個人的な所感で言うと糖衣より丸薬の方がよく効きます。
Wikipedia見ればわかりますが、正露丸は腸の状態を整える生薬であって、殺菌薬ではありません。「正露丸は殺菌薬であるから体に悪い」と言った説明をする医師は信用しないようにしましょう。作用機序すら理解せず薬の安全性を決めつけると言うのは医学以前に科学に携わる者として、余りにも軽率です。
服用上の注意
正露丸を服用するに辺り、注意せねばならない事が幾つかあります。医薬は使い方を誤れば毒にもなるので、よく注意しましょう。以下に注意点を列挙します。
- 必ず食後に服用する、空腹時であれば何か食べるか、油分を含むモノを飲食するなどする
- 使用丸数を増やさない(減らすのも良くないけど、増やすのは危険)
- 子供(5歳以下が目安)や動物には与えない
- 口内など粘膜には極力触れないようにする。飲むときは一瞬で
- 歯痛への効果は一時的なモノであり、継続使用は悪化を招きます。必ず直ぐに歯科医へ行くこと
正露丸で怖いのは粘膜への攻撃性が高い点です。これに対し「食後」に「規定丸数」を「水で直ぐ流し込む」という用法用量によって問題を回避しているわけです。この点を理解していれば何がいけないのかわかります。口の中に長く留めれば口内や喉を傷めますし、空腹時や規定量以上の服用をすれば腸まで正露丸が流出して腸炎を引き起こすといった事が考えられるわけです。実際に正露丸で腸炎になったという報告があるのはこのためでしょう。
正露丸の効能の中で毛色が違う「歯痛」ですが、コレは作用機序も全く異なるため注意が必要です。歯痛に対する正露丸の効能は「神経麻痺」になります。従って虫歯は全く治りませんし、むしろ悪化します。更に、口内の粘膜に対し攻撃性があるわけですから、口や喉全体に対し悪影響があります。
そこまで危険ならなんで使うんだと思うかもしれませんが、歯痛で死にそうになった時には正露丸を用いて一時的に痛みを止めてよく寝て、翌日には歯医者に行く、というのが正しい使い方になります。治療には体力が必要ですから、痛みで消耗する事を考えると多少のダメージ覚悟で痛み止めをして体力回復に務めるというのは有効な策になります。
正露丸の仲間
正露丸の匂いが好きになってしまった、という人も多いんじゃないでしょうか。そんなヒトの為に正露丸に近い匂いのモノを紹介します。
正露丸の匂いは主成分である木クレオソートの匂いが殆どです。これは早い話が燻煙香なので、燻製された製品はだいたい同じ様な匂いがします。
正山小種(ラプサンスーチョン)
正山小種は紅茶の一種です。茶葉を松の薪で燻製するため、燻煙香が強くついています。普通にお茶として美味しいです。
ラフロイグ
ウィスキーの一種です。製造時に使用する水がピート(泥炭)層を通ってくるため、非常に強い燻香のようなものがつくと考えられています。