平安時代に農民陰陽師をやっている夢
2014年09月25日 夜
平安時代の都の外れで畑仕事をやっている。貧しい農民といった服装をしているが、本業は陰陽師だ。妖怪が見えるので陰陽師になったものの、祓う力が殆ど無いので仕事にならず、今では薬の調合で生計を立てている。
畑の作物も殆どが薬の材料だ。家を中心にして周辺は全て畑で、5メートル四方ほどの狭い区画に分けて、それぞれ別の草花を育てている。桃色の
雑草を抜いたり虫除けを撒いたり、今日も畑の手入れをして終わった。夕方になり、幾つか草を採取して家に戻る。夜には薬の調合と加工をして1日が終わるといういつもの流れだ。
夜になって、都の偉い人から遣いが来た。遣いは髭の生えた武将風で、この人自体が結構
遣いの人に薬の実を渡してから、不思議な光る実の話をして見せてみると「これは大変珍しい。主人に見せたいので譲ってもらえないか」と言い出した。薬の材料になるかもしれないので持っておきたかったが、実のなっていた草も残っているし何よりお金に困っている。値段交渉をして結構な高額で買い取って貰える事になり、その場で小判をもらった。
渡す前に鬼灯の中がどうなってるか気になって、篝火にかざして透かしてみていたら、鬼灯がもぞもぞ動き出して手足が生えてきた。これは怪しいと思い手近なガラス瓶に放り込んで蓋をすると、鬼灯からはさらに尻尾が生え耳が生え、ついに狸になった。
はて面妖な……と思っていたら、遣いの人が後ろでかなり怒っていて「狸を使って詐欺を働こうとした罪」で逮捕されてしまった。弁解するも聞き入れてもらえず、そのまま都のある貴族の屋敷へ連行されて牢屋に入れられた。このままだと翌日には処刑されてしまう。
座敷牢の中でどうしたものか悩んでいると、友達の陰陽師が助けにやってきて扉を開けてくれた。彼は太宰治をもうちょっと険しい顔つきにしたような風貌で、顔つきはハンサムと言える感じだが、髪がボサボサで服装も小汚い感じ。残念美男子だが優秀な陰陽師だ(名前が不明なので以降は太宰と称す)。太宰は貴族付きで都でも要職についている陰陽師だったが、ちょっと変わり者で都の外にもよく出るため、一緒に山野を歩く友達として私と親交があった。ただ、友達ではあったが信用できる男かというとそうでもなく、やはりちょっと変わり者だなという印象だった。
太宰に「陰陽術でここまで来たのか?」と聞いたら「いや、ちょっと有力貴族にツテがあったんでお願いしたんだ」と言いながら、牢番に心づけを渡していた。屋敷の外へ逃げ出せたので、助けて貰った礼をせねばという話をしたら「礼には及ばない、友達だろう」といって断られた。そうはいっても何もしないわけにはいかないから、是非うちに来てくれと誘って家に連れ帰った。
家で太宰に酒を出し、囲炉裏の火を強くしながら「そうだ、発端になった狸を捕まえてあるんだ。狸鍋にしよう」と言って、ガラス瓶から狸を出した。すると出てきた狸が太宰の袖にスッと入ってしまった。小さいとはいえやはり妖怪狸であったか、これはイカンと思って