旧異記

蕗の薹(ふきのとう)

ふきのとうは春一番の山菜です。独特の苦味が美味しいふきのとうの採取から調理までまとめます。

ふきのとうは「蕗の薹」と書きます。「薹」は花を付ける軸、花茎のことなので、ふきのとうは「フキのつぼみ」みたいな意味になります。

採取

探し方

ふきのとうは春一番の山菜ですから、茶色い土から緑色が覗いていて、見つけやすいといえば見つけやすいです。ただ、時期が限定されるので春になって探すよりも、夏~秋の間にフキが生えてる場所を見つけて覚えておくほうが簡単です。フキは日陰になった水辺や湿地によく生えています。

時期

ふきのとうが採れるのは春の雪解けの時期です。雪が解けかけた状態で芽が出始め、雪がなくなると直ぐ成長して「薹が立った」状態になってしまいます。うちの付近では3月半ば頃が収穫期で、3月末になると薹が立ってしまいます。

格好

  • 長靴
  • 厚手の手袋
  • ナイフ類
  • スコップ類
  • 入れ物(風呂敷など)

ふきのとう採取に必要な服装です。雪がある場合は長靴が必要。フキが生える場所はだいたい湿った土壌なので、長靴でないにしてもちゃんとした靴を履いて行った方が良いです。

しゃがんで作業するので、ロングコート類はダメです(私はロングコート着て行って裾が汚れた)。衣類は寒くなければ良いと思います。

雪や土を退ける事があるのでスコップ類があると良いです。また、ふきのとうの周辺の土をちょっと退ける為に、小さいツールがあると良いです。移植ゴテや木の棒でOK。

採取したふきのとうを入れるモノも忘れずに。私は風呂敷を持って行ってます。

方法

ふきのとうは土に埋もれています。よく見れば土から顔を出しているのが見えますが、軽く土を払うとより見やすくなります。また、土が被っている向きがあるので、うろうろしながら同じ場所を色々な角度から見ると見つけやすいです。

見つけたら周囲の土を軽くどけて、ふきのとうを片手で押し茎を見えやすく、ナイフで切って取ります。根を痛めるとフキが生えなくなってしまうので気をつけましょう。

ふきのとうは斜めに生えている場合も多く、ナイフで切る場合に切りづらい事があります。茎が斜めの可能性を考えて、ナイフの入れ方を変えると簡単に切れます。

一般的に山菜は採りつくしてしまうと数が減ってしまうので気をつけますが、ふきのとうの場合は気にする必要はあまり無いです。地下茎で広がっているフキの新芽なので育たなくてもまた生えてきますし、何より埋まっていて見つけるのが困難なため、取り尽くす方が難しい。また、そんなに大量に食べるような物でもないので、個人的な採取なら間引くつもりでまんべんなく良さそうなヤツを取れば良いと思います。

選び方

採取する対象について。小さい状態のほうが苦味が少ないです。天ぷらにするならコレ。また、実は雄株と雌株があり、雌株の方が苦味が少ないです。見分け方は、蕾っぽい部分が黄色なのが雄株、白っぽいのが雌株。大きく丸いのが雄株で、小さく細いのが雌株です。

毒草のハシリドコロと似ていると言われていますが、地下茎と繋がっている部分を見れば区別できると思います。っていうか、全然違う植物だし分かるのでは……

保管

基本的に採取したら直ぐに調理したいですが、時間が開く場合は軽く洗ってから水に漬けておくとアクが抜けます。

調理

下ごしらえ

ふきのとうは泥に埋もれているので、よく泥を落とす必要があります。台所洗剤をつけて、お湯で洗い流しながら中を開いて中に入った泥を落とします。

茶色くなった部分も除去したいので、ダメそうな葉はちぎり取ります。普通の食事に使うナイフでギザギザが付いている奴を使ってこそげると、茶色い部分だけ落とすのがやりやすいです。処理し終わったら冷水に漬けておきます。

ふきのとうはまずアク抜きが必要です(天ぷら等の場合は不要)。熱湯に重曹を加えたモノで数分ほど湯がいて、取り出して直ぐに冷水に浸します。そのままにすると色が黒くなってしまいます。調理時に加熱する場合はソコでもアクが抜けるので、それも考慮しましょう。またアク抜きをやり過ぎるとふきのとうの風味が亡くなってしまいます。


更新日時:2015/04/21 07:19 閲覧数:85