干物づくり
諏訪は大変寒いので、冬季は干物づくりをよくしています。干物自体は夏でも良いですが、一部フリーズドライのような物については冬でないとできません。
干物の利点は二つあります。「長期保存できる」事と「味がおいしくなる」事です。天日で干すことで旨味が増す食材もあるのです。
冬季限定の干物としては、凍み豆腐(高野豆腐)や凍みこんにゃく等があります。夜間の凍結と昼間の太陽光による解凍・乾燥が組み合わさることで、水分の多い食材がカチコチの乾燥状態になります。また、気温が低い冬は腐敗が発生しづらいため、腐敗しやすい食材の干物に向いています。
干物共通の手順
- 素材を細かくします。薄く細かく細く、乾燥しやすい形になっているほど失敗しづらいです。
- 素材をザルや干し網に広げます。天日干しならザルのほうが向いていると思うのですが、風で飛んだり鳥に盗られたりする可能性を考えると、干し網は便利です。また、干し網の方が風通りが良いため乾燥が早いです。
- 素材の湿り度が高い場合はドライヤーを使って熱風で即乾させます。飽くまでも表面の水分飛ばしなのでやり過ぎないように。
- 半日〜一日程度は扇風機を使って即乾させます。食品の腐敗は細菌が原因なので、水分が無ければ抑えられます。表面だけでも早く乾かす事で腐敗リスクを下げられます。外に干して風が十分ある場合は外に出すだけでもOKです。
- 外で天日干しにします。雨が当たらず日の当たる場所なら安心して放置できます。冬季は雨の代わりに雪が降るので安心です。雪が降る場合、いちいち出し入れするより放っておいた方が良いです。
使用器具
干すのに使うのは竹ザルか干し網になると思いますが、どちらも利点欠点があります。
竹ザルは実は高性能です。熱に強いですし干す以外にも洗う際に使ったり色々な事に使えます。問題は「覆いがないため虫や鳥に狙われたり、風で飛んでしまう」点なのですが、覆い付きの干物用の竹ザルも存在します。また性能以外に、見た目が良いですよね。
干し網はネット状のビニル系の容れ物で、干す為に作られたため機能性が高いです。全面が網なので風通しが良いですし、きっちり閉じられるので中身が飛ぶ事も無い。また何段も連結できますし、値段も安めです。ただビニル系で高温に弱いため、ドライヤーで温めたりすると溶けてしまいます。
新聞の上に広げるとか、そういった簡単な方法でも干物を作ることは出来ます。大事なのは原理を理解して最適な行動を取る事なので、よく考えましょう。干物をよく作るようになったら、笊と干し網は両方持ってると便利です。
干し茸
干し茸は干物の中では結構メジャーなんじゃないでしょうか。干し椎茸なんかが有名ですが、シメジやエノキを干しても美味しくなります。天日干しで旨味がグッと増す食材なのでおすすめです。
エノキやシメジは密集した状態で売っているので、まず手で細かく千切ります。バラバラになっているほど乾燥が早いので、上手く行きやすいです。手はよく洗ってから作業しましょう。
手順に従い干して、カリカリの状態になったら完成です。一週間くらい干しとけばだいたい間違いないと思います。
シメジやエノキなら戻すのにもそんなに時間はかからないです。戻さず炊飯器に米と一緒に入れて炊いても、割りと普通っぽい状態になってました。
干し野菜
干し野菜は便利なのですが、作るのが難しいからかあまり一般的ではないような気がします。私も冬季以外は作っていません。基本的に水分が多いので、オーブンを使った簡易作成などの方が良いのかもしれません。
食材としては人参、じゃがいも、ごぼうなど根菜類でしょうか。葉野菜はどうも上手く行きません。
野菜の場合、まず洗って切る必要があります。できるだけ薄切りにしたほうが上手く行くので、スライサー等を使って薄くしてしまうと良いと思います。
洗い終わった野菜はキッチンペーパーでよく水分を落とし、ドライヤー等で即乾させます。とにかく乾燥した状態まで早く持っていく必要があるでしょう。
諏訪近郊は冬季、外気温がマイナス2桁くらい行くので、これくらいになると細かいこと考えずに外に出してしまって大丈夫です。即凍ります。
干し芋
詳細はさつま芋のページに。芋類は寒い地域では越冬できないため、干し芋にしてしまうと便利です。しかし、干し芋が何より良いのは美味しいところ。特に「作ってる途中の半乾きの干し芋」はとても美味しいですし、買って食べる事が出来ないので作るしかありません。ねっとりとした甘みがありたまらない美味しさです。ついつい乾き途中で食べてしまい、出来上がりが減ってしまいます。